頭部血管造影

頭部の毛細血管から静脈及び動脈にいたる血管を詳しく調べるもので、別名では頭部アンギオグラフィーとも言われています。別の検査で、脳に疾患があると疑われた場合に行われます。これは、血管の奇形やその障害を調べるために必要であると共に開頭手術を実施するにも重要な意味があります。検査を行う前には、造影剤を頭部動脈から注入します。これによって連続X線撮影を可能にします。脳血管の位置を確認できますが、更にハッキリ写し出すためにDSAと呼ばれるサブトラクション血管造影という機械を使うこともあります。

頭部血管造影検査(とうぶけっかんぞうえいけんさ)の種類としてはセルジンガーカテーテル法と直接穿刺法があります。前者は、鼠径部の大腿動脈からプラスチックで構成された細い管を入れるもので、造影剤をカテーテルが椎骨及び内頸動脈までたどり着いた際に注入します。その後、連続X線撮影を行います。後者は、造影剤を直接、内頸動脈に穿刺して注入するもので、その後連続X線撮影を行います。いずれも一時間程度で終了します。尚、検査前には穿刺する箇所のうぶ毛を剃り落とします。また、アレルギーを造影剤に対して持っていないか確認の検査も行われます。そして検査が行われるおよそ三十分ほど前に鎮静剤を注射します。

異常と判断された場合、脳梗塞や脳腫瘍、脳梗塞、脳動脈瘤、脳内血腫といった脳血管障害となります。X線造影写真では、これらの異常を示す脳血管がハッキリ浮かび上がるため、開頭手術を実施するための判断材料となります。