ワイル病/黄疸出血性レプトスピラ病

症状

潜伏期期間は数日で、これを経過した後に四十度近い高熱を生じます。また頭痛や嘔吐、目の充血、筋肉痛などを伴います。次いで合併症で腎不全をきたし、著明な黄疸が出現してきます。その他、合併症で心筋炎を発症することもあり、消化管及び皮下出血を随伴します。

原因

レプトスピラと呼ばれるらせん菌による感染が原因であり、これによって血管内皮障害を引き起こします。侵入した菌は血管内で炎症を引き起こし、血管透過性が上昇して組織に対する循環血液量が低下します。犬やドブネズミなどの動物はレプトスピラを持っているケースがあり、これらの動物の尿から河川や下水などを経由して人間の皮膚若しくは粘膜から感染します。発熱や黄疸、頭痛、筋肉痛、出血、腎不全などを生じます。通用、重度の場合をワイル病(わいるびょう)と言います。このレプトスピラは肝臓及び血液中において増殖し、最終的には腎臓を中心に発生します。出血は、各臓器に見られる傾向にあり、軽い肝細胞変性壊死が見られます。また肝腫大を引き起こし黄疸も明確に示されます。尚、ワイル病は黄疸出血性レプトスピラ病(おうだんしゅっけつせいれぷとすぴらびょう)とも言います。

治療法

アミノグリコシド系のゲンタマイシンやストレプトマイシンといった抗生物質の投与による治療方法がとられます。ただし、これらのタイプは腎障害が懸念されるため、アンピシリンなどペニシリン系やドキシサイクリンといったテトラサイクリン系が適用されることもあります。