胆管結石症

症状

胆嚢内に胆石が存在する場合は、長期に渡って特有の症状を示しません。ほどんどのケースで胆嚢から胆管へ胆石は移動しますが、小さければそのまま胆管内を経由して小腸に移動します。また停留しても、特に症状を示すことはないとされます。問題となるのは閉塞したケースであり、こちらは激痛だけでなく吐き気やそれに伴う嘔吐などを生じます。更に閉塞から細菌が増殖し感染を招きます。悪化すると黄疸だけでなく発熱や悪寒を伴います。

原因

胆管及び胆嚢において発生した結晶を胆石(たんせき)と言います。多くはコレステロールで形成されていますが、ビリルビンやカルシウム塩から形成されている場合もあります。発生した結晶の初期は小さいものですが、これが時間の経過と共に大きくなっていきます。また胆石の多くは胆嚢で発生し、これが胆管へ移動するため、胆管結石の多くは胆嚢由来のものとなります。一方、胆管で発生することもあり、こちらの多くは色素成分を含有し、炎症及び感染を随伴させる確率が高いと言われています。尚、胆嚢に結石が発生した場合は胆石症と言い、胆管内に見る場合は胆管結石症(たんかんけっせきしょう)と呼びます。

治療法

症状が出現しない場合は、特別な治療は行われません。痛みが持続的に出現するケースでは脂肪の摂取に制限を設けることもありますが、進行を遅らせたり予防することはできません。胆管内に発生した胆石は手術適応ですが、激痛を伴う胆嚢の胆石も手術によって胆嚢を摘出します。多くは腹腔鏡下胆嚢摘出術が実施されます。一方、薬物によって胆石を溶解させる方法もありますが、こちらは再発率が高くなっている上に成功率も50%以下となっています。