特発性血小板減少性紫斑病

症状

初期段階では紫斑の他、鼻出血や月経過多などを見ます。しかし特に症状を示さないこともあるため、健康診断の際に偶然見つかる例が多くなっています。急性型と慢性型に分類され、通常前者の方が出血症状も高度とされます。

原因

骨髄巨核球における血小板生成の過程が正常でも、抗体が産生されることによって血小板破壊を招く疾患を特発性血小板減少性紫斑病(とくはつせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう)と言います。急性型と慢性型に分けられ、前者は小児に、後者は成人女性に多く見られます。急性のものはウイルスに感染してから数週間で突如血小板減少をきたします。次いで出血症状を呈し、紫斑を出現させます。大抵のケースでは半年以内に正常化しますが、中には慢性に移行してしまう場合もあります。慢性のものは緩慢に発症するため、数年かかって発症することもまれではありません。そのため、発見が遅れやすい傾向にあり、検査などでたまたま発見されることもあります。

治療法

副腎皮質ステロイド薬の投与が行われます。これによって改善が見られないケースでは脾臓の摘出術が薦められます。これは血小板破壊や抗体生成に脾臓が関係しているためで、手術によって多くの症例で血小板数の正常化が示されています。また脾臓を摘出しても生活する上で特に問題はないとされます。ただし、軽症から中等度のケースでは特に治療を行うことなく経過観察のみになるケースもあります。