一過性脳虚血発作

症状

麻痺や失語症、視力障害、眩暈などを一時的に生じます。本症は太い中大脳動脈や内頸動脈に動脈硬化を引き起こすものと、微小な血栓が心臓内部で発生し、これが脳へ移動し動脈を閉塞させてしまうケースがあります。

原因

頸動脈などにおいて発症した動脈硬化部より血塊が剥離し、これが一時的に脳血管内で塞がったり、或いは脳血管の動脈硬化に起因して一時的に脳内血流が弱まることが原因となります。また脳梗塞の症状である半身麻痺や失語症を出現させた後、二十四時間以内にその症状が消失するものを一過性脳虚血発作と言います。多くは数十分以内に消失し、何事も無かったかのように消失します。発作の再発率は高くなっています。症状が消失してしまうのは、脳血管を閉塞していた血塊が溶解してしまうためと考えられており、このような状態は脳梗塞を続発するケースも多いとされます。

治療法

発作から意識を消失した場合は、気道を塞いでしまうこともあるため、まず気道の確保が重要になってきます。安静を維持し、救急車を呼ぶのが原則となります。薬物による治療方法では、チクロピジンやアスピリンといった抗血小板薬が用いられます。これは一過性脳虚血発作(いっかせいのうきょけつほっさ)の再発や続発する脳梗塞症を防ぐ意図によるものです。手術ではバイパスグラフトや動脈内膜剥離術などによる治療法が実施されます。尚、元となる疾患があれば、その治療を行います。該当する基礎疾患では糖尿病をはじめ高血圧や高脂血症などがその代表例となります。