弾性繊維仮黄色腫

症状

体の組織中に含まれる弾性繊維は血管や皮膚などあらゆる場所に存在します。この線維は、皮膚などを伸長させた時に、もともとの形状に回復しようとする弾力性を持っています。血管についても同様のことが言えますが、血管の場合、弾力を喪失して硬くなると、血管収縮もままならず、正常な血行を維持できなくなります。皮膚は肥厚して溝を形成し、硬化して伸長します。表面は黄色っぽい突起が見られ、細かくデコボコ状になります。子供が小さい内は、それほど出現しませんが、加齢に伴って顕著になりだします。いずれも鼠径部や首、臍周囲、首などに見られます。また、血流量が低下するため狭心症から胸痛を招きます。更に間欠性跛行から歩行困難を示します。その他、腸や子宮、脳からの出血を見ることもあり、加えて鼻血も見られます。いずれの出血も持続性があり、網膜において引き起こすと視力低下から失明に至ることもあります。

原因

結合組織の異常が原因となります。この異常は、血管や眼球、皮膚など様々な組織で見られます。

治療法

主に合併症を防ぐことが治療の目的となります。これは寿命に影響するためです。弾性繊維仮黄色腫には、確立された治療方法は存在しないため、結合組織の異常を回復させることはできません。また、胃腸に対して刺激を有する抗凝固薬や非ステロイド性消炎鎮痛薬などの利用は禁忌です。これは上記薬剤の利用によって出血傾向を示すためです。