症状
大抵、軽いものから出現し、中でも瞼の瞬きといったものが知られています。顔面では、瞬きの他、眼球の回転、上転、偏位、鼻腔を開く、口をゆがめる、更に顔全域に渡ってゆがめることもあります。また、首を前後或は左右などに振ったり、肩を上げたり回したりします。その他、咳払いや奇声、汚言なども見られます。一般小児科では、首を振る、瞬き、咳払いといったものが多い傾向にあります。
原因
非律動性、反復性、急速、突発的、常同的運動若しくは発声がチックであり、幼児期後半から見られます。多くは学童児にかけて発症し、その継続時間及び種類によって分類されています。DSM-4では、Tourette障害、慢性運動性或は音声チック障害、一過性チック障害に分けられています。かつては、自己処罰や潜在的葛藤の表れ、権威への抵抗といったものが原因と考えられていましたが、今日では遺伝性に起因する脳の機能的発達が影響しているものと考えられています。またドーパミン受容体における過感受性がチックに影響を与えているもの捉えられており、また、大脳基底核などは運動チックに関係し、傍中脳水道灰白質などは音声チックに関わっているものと考えられています。
治療法
一過性チック障害は自然に改善する傾向にあります。一方、慢性チック障害では社会的問題も懸念され、薬物療法が行われることもあります。この場合、ドーパミンD2受容体遮断薬が多く利用されます。その他、α2-ノルアドレナリン受容体作動性薬剤やリスパダールなどもあります。