双極性障害

症状

鬱病と躁病それぞれの症状を示します。鬱病では憂鬱な気分が持続し、気分が沈みます。何をするのも面倒になり、楽しく感じません。考え方が、悪い方向に偏ってしまい、くだらないことばかり考えてしまいます。一方躁病では、気分が亢進し、睡眠もほとんどとらなくなります。活動的であり、睡眠の必要性を否定するようになります。言葉数は多くなるものの、話の内容に一貫性がなく、直ぐに話題が変わってしまいます。自身の能力を過大評価し、傲慢になります。後先考えず、浪費癖など無謀な行動が目立つようになります。尚、本疾患は一般に躁鬱病(そううつびょう)と呼ばれています。

原因

鬱状態と躁状態を繰り返すのが特徴であり、同一家族に発症する傾向があります。しかし、発症の原因は明確にされていません。DSM-4においては気分障害に分類されており、これは鬱病と同様です。鬱病では気分が落ち込みますが、躁病では気分が高まり亢進します。そのため、元気で活発に見えますが、高まりすぎると異常に気が大きくなって取り返しの付かない行動をしてしまったり、大騒ぎしたりします。基本的には自身の能力を過大評価する傾向があり、態度も傲慢になります。人間関係のトラブルも増え、時に借金をしてまで高額な商品を買ったりしてしまいます。このため、周囲の人間は振り回されてしまいます。双極性障害(そうきょくせいしょうがい)では通常、躁状態の期間より鬱状態の期間の方が長いと言われています。日本では本疾患より鬱病の方が多くなっていますが、単極性鬱病の治療過程で改善時期において躁状態が明確に出現することもあります。

治療法

躁状態であれば、炭酸リチウムの他、バルプロ酸ナトリウム、カルバマゼピンなどによる薬物療法が行われます。高度であれば、入院も要しますが、これは周囲の人を巻き込むため、トラブルを未然に防ぐ目的で薦められます。ただ、下痢や食欲不振、手の振るえ、吐き気といった副作用を示すこともあります。一方、鬱状態に対しては抗鬱薬が用いられます。尚、本疾患は薬物療法と共に休養が重要であり、なるべく早期に発見して治療を行うことが望まれます。