心的外傷後ストレス障害・PTSD

症状

起こった出来事が心の傷となった場合、その時のことがフラッシュバックします。このため、何度もその時の出来事が脳裏に呼び戻されます。更にこれらの記憶を引きずり出すような事案に遭遇すると、極端な恐怖心が起こります。このため、患者はこれらの辛い記憶を呼び戻させてしまうものを特に避けます。この避ける行動は、部分的な記憶喪失といった形式で示されることもあります。その他、心的外傷後ストレス障害(PTSD)では不眠や、覚醒亢進、感情が麻痺したり、それを失ったりします。

原因

心の傷が高度に生じる事象に出くわすことに起因して生じる不安障害であり、時間が経過してから当時の事象を何度も繰り返し再体験します。これには命が危険に晒されるような体験などが該当し、いくら時間が経過してもその時の影響が消失しません。強い恐怖感が脳裏からなかなかとれてくれません。心的外傷とはいわゆるトラウマと呼ばれているものであり、この体験から数ヶ月で症状が出現することもあれば、何年も経過して現れるものもあります。

治療法

薬物療法では、三環系抗鬱薬や選択的セロトニン再取り込み阻害薬といった抗鬱薬が用いられることもあります。また支持的な心理療法では感情移入から共感を示し、それを理解するといった形を治療者がとります。そして心の傷となった記憶を患者に直接思い出させ、或は直面させ、その時に生じる恐怖を制御させる方法を学習させます。これによって酷い体験をコントロールしながら、受け入れられるようにしていきます。