症状
意識のない夜の睡眠中に排尿するもので、五歳を過ぎても見られる場合を夜尿症(やにょうしょう)と言います。受診しなくても自然に治るケースが多くなっていますが、中には基礎疾患があり、治療を要するものもあります。
原因
検査では夜尿症患者の中に尿道リング状狭窄や膀胱尿管逆流といった器質的疾患を認める場合があり、これらが原因となることもあります。また二分脊椎に随伴する神経因性膀胱、尿管異所性開口、尿道狭窄なども原因となる器質的疾患です。更に、膀胱容量が少なかったり、その機能が未熟であったり、遺伝、精神的要因、尿崩症、糖尿病なども原因になることがあります。その他、夜間に覚醒出来ない場合や便秘も夜尿症を引き起こす原因になりますが、便秘に関しては詳細に解明されていません。
治療法
基礎疾患があればその治療をします。これには尿崩症や糖尿病などが該当します。抗コリン薬は膀胱の容量が不足していたり、膀胱機能が十分発達していないことを原因とする場合に適応となります。三環系抗鬱薬は、夜間に覚醒できない場合や精神的要因が夜尿症を引き起こしているケースにおいて用いられます。便秘に起因するものでは、緩下剤が使われることもあります。その他、夜間の尿量を減らす目的で抗利尿ホルモン薬が投与されることもあります。