本態性高血圧症

症状

本態性高血圧症(ほんたいせいこうけつあつしょう)では特に症状はなく、血圧が高いということのみです。多くは健康診断などで血圧を計った際に発覚します。高血圧が長期間継続すると、心肥大が起こり、動脈細部において硬化が発症します。これが動脈硬化と言われるもので、脳血管や心臓血管において悪化すると脳出血や狭心症などを引き起こします。

原因

環境及び遺伝などが関係しているとはされているものの、明確な原因は明らかになっていません。通常、高血圧が見られる親の子供は高血圧になりやすく、両親共に高血圧が見られないと、その子供も高血圧になりにくいとされています。若年性高血圧は三十五歳以下で発症した場合を指していていますが、このケースでは二次性高血圧と呼ばれる原因の明確なものが多いとされます。尚、環境に起因する本態性高血圧症ではストレスや塩分の摂りすぎなどが考えられます。

治療法

日常生活において、ストレスを避け、動物性脂質、食塩の摂取量制限などを行いますが、こういった生活様式を変化させることそのものは降圧作用につながりません。しかし、薬物療法による降圧薬の働きを強化することは周知の事実です。他にも、運動や体重の調整、アルコールの摂取量制限を行います。薬物療法では降圧薬が用いられ、近年質の高い薬剤が出回っているため、血圧の調整も容易になっています。降圧薬ではアンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬、カルシウム拮抗薬、利尿薬、α遮断薬、β遮断薬などがあります。