良性腎硬化症

症状

良性腎硬化症(りょうせいじんこうかしょう)において糸球体濾過率は適正値に維持されていて、ナトリウム負荷に対してその排泄が見られるものの、ナトリウム排泄機能には問題がないとされます。また腎臓における尿の希釈力や濃縮機能も軽いものとされています。症状の初期段階では夜間における尿量が増加します。腎機能低下もゆるやかに進行するため、血尿及び蛋白尿といった症状はあまり見られません。比較的自覚症状は乏しいものとなります。症状を示すケースでは、不眠や軽い肩凝り及び頭痛、動悸や神経興奮などを訴えることもあります。また眼底において動静脈交差や細動脈の狭細化が現れる場合もあります。血液検査においては尿素窒素、電解質、尿酸、レニン活性、クレアチニン、血清タンパクなど適正値を呈することがほとんどで、特に異常は認められないとされます。

原因

長期間高血圧を維持させたことが原因となります。その程度は状況によって異なりますが、最終的に腎細動脈硬化を引き起こします。この症状が軽いケースを良性腎硬化症と呼んでいます。

治療法

アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)やアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE)、カルシウム拮抗薬といった降圧薬の利用で血圧を適正範囲に維持する必要性があります。これは腎障害や動脈硬化の進行を防ぐ意味があります。また、動物性脂質や塩分の摂取量にも制限を加えます。塩分は一日七グラム程度、血圧は130/80の範囲にコントロールすることが薦められています。