下痢症

症状

下痢症(げりしょう)は液状化した便のことを指していて、凡そ八割程度以上水分を含有することで下痢症と診断されます。これは一定期間の排便回数に基づくものではなく、便に含有される水分量に着目されます。水分を失うため、それに適応した脱水状態を示します。尚、三週間以上継続するものは慢性下痢になります。

原因

急性のものと慢性のものがあり、前者の多くは急性腸炎に起因すると言われています。後者ではクローン病や潰瘍性大腸炎などに起因することがあり、出血が認められることもあります。また過敏性腸症候群、食中毒、腸の炎症、腫瘍などが原因になることもあります。腸の病気に起因する下痢は非常に多いとされ、中でも血便や発熱、粘液などが見られる場合は注意が必要とされます。その他、ウイルスや薬の副作用、精神的なストレスを原因とする下痢も見られます。牛乳不耐症は先天性に起因するものですが、これは乳糖分解酵素が小腸において分泌されないことが原因で下痢を引き起こす症状です。

治療法

急性のものはまず原因を突き止めることが重要です。元となる疾患の治療を行い、また食物の過剰摂取或いは暴飲暴食が原因であれば、それを控えます。急性の下痢はその多くに問題はないとされていて、数回食事を控えれば改善方向に向かいます。その一方で、食物の摂取も可能となっていますが、下痢は水分を急激に消失するため、その補給を十分行います。ただし、重症であれば下痢止めを用いますが、その際食中毒なども疑われるため便の検査を行います。尚、慢性のケースでも原因を明確にすると共に食物繊維の多い食事や油物の摂取を控えます。