急性胃粘膜病変

症状

突如として吐血、上腹部痛などを示し、また嘔吐、悪心、ショック症状を呈するケースもあります。急性胃粘膜病変(きゅうせいいねんまくびょうへん)は糜爛に起因する急性潰瘍をも含みます。浅い潰瘍が前庭部を主軸に見られ、血液が表層部に付着していることが多く、これらは内視鏡検査で明らかになります。また多発する傾向があり、その形は整っていません。胃粘膜の周りには毛細血管からと考えられる出血や浮腫などが認められ、潰瘍の底においても出血が確認できます。

原因

胃において出血性胃炎や急性胃潰瘍、急性糜爛性胃炎などを発症することが原因となります。またこれらを総称して急性胃粘膜病変と言います。いずれの疾患も、胃や十二指腸において同時に併発する傾向があります。手術や薬剤、脳疾患、ストレスなどに誘引されるケースが多いとされていますが、詳細は解明されていません。

治療法

通常、治癒するまでにあまり時間を要しません。ただし、元となる病気が重症で且つ多くの出血が見られる場合は見通しが悪くなることもあります。薬物による治療方法では制酸剤やH2受容体拮抗薬などを用いて糜爛(びらん)に起因する出血に対して適用します。内視鏡的止血法は急性潰瘍の内、出血箇所がハッキリしているケースにおいて適用されます。その他、急性胃粘膜病変の原因が明確となっているケースでは、その原因を取り除きます。