エナメル上皮腫

症状

顎骨の全域が肥大化するようになりますが、初期では特に症状を示すことはありません。多くが親知らずである知歯周辺に見られ、下顎での発生が多くなっています。これと類似した症状を呈するものでは、濾胞性歯嚢胞があります。大抵、十歳から二十歳程度の間で生じます。

原因

再発傾向を示す腫瘍を発生させます。悪性の経過を辿ることもありますが、良性腫瘍に属します。エナメル上皮腫(えなめるじょうひしゅ)は、歯を形成する組織の一部から発生する腫瘍のことを意味します。鑑別を要するものでは顎骨嚢胞があり、試験的に細胞の一部を採取して診断します。尚、X線検査では多胞性に認めるケースが多々あります。

治療法

切除の広さを小さくするため、骨の一部に孔を作って、骨の回復と共に腫瘍を小さくする手術を繰り返し実施されることがあります。しかし、エナメル上皮腫の性質や程度によって実施されるかどうかは状況に応じて判断されます。基本的に顎の骨が吸収されてしまうほど肥大化したケースでは、顎骨を切断することになります。その際、移植するため、他の箇所、例えば腰の骨などを用いて再建手術が実施されます。