ヒストプラスマ症

症状

急性のものでは発熱や咳といった症状を訴えます。数日から三週間程度の潜伏期を経て発症しますが、無治療でも治ります。また、生命予後も良好です。進行性播種性ヒストプラスマ症は免疫不全患者などが発症します。不明瞭な脱力感や疲労感などから緩慢に進行する場合と突然、増悪する場合があります。また、リンパ節腫脹や肝脾腫を見ることもあります。更に腸管や口腔内において潰瘍を形成することもあります。その他、少ない症例では、アジソン病を引き起こすこともありますが、これは副腎が障害されることに由来します。無治療だと、致命的になります。慢性空洞性ヒストプラスマ症は、進行も緩慢となります。肺に感染し、咳や息苦しさを生じます。また、微熱、全身倦怠感、体重低下などもきたします。通常、放置しても治癒する傾向にありますが、中には呼吸困難から多量の喀血を見ることがあり、致命的になることもあります。

原因

ヒストプラスマカプスラーツムによる感染が原因となります。肺を障害しますが、全身性に拡大することもあります。この真菌はアメリカの土壌に含まれていて、気道を介して体内へ侵入します。エイズ患者など免疫不全患者に多く発症します。また、この真菌の胞子を多量に吸入すると重症化します。

治療法

イトラコナゾールやアムホテリシンBなどが用いられます。進行性播種性と慢性空洞性ヒストプラスマ症で有効とされますが、後者においては呼吸困難を残存させることがあります。尚、急性のものでは薬物を用いることはほとんどありません。