ポリオ

症状

多くの場合、これといった症状を示しません。出現した場合、喉痛や軽度の頭痛、全身倦怠感、熱の上昇などです。大抵、症状も軽く、通常数日で改善します。重症化したケースでは筋肉深部痛や強い頭痛、背中のこわばり、首のこわばり、発熱などが生じます。損傷を受けた部分によって悪化しないこともありますが、進行すると喉に食べ物や唾液などの液体が詰まることもあります。これは筋麻痺や筋脱力によるものです。

原因

エンテロウイルスの一型となるポリオウイルスへの感染が原因となります。強い感染力を有し、麻痺及び筋力低下など、神経を障害してさまざまな症状を呈します。近年、予防接種の普及から急激な流行は見られなくなりました。子供に発症する傾向がかつてありましたが、これはポリオウイルスに対する免疫がなかったためです。免疫を獲得している大人では発症しません。

治療法

原則、ワクチン接種による予防が重要となります。このワクチン摂取は、注射と経口によって行われます。前者はソークワクチンと呼ばれるもので、後者はセービンワクチンと言われます。効果があるのは経口の方です。しかし、経口の場合、非常に低い確率であるものの、突然変異を招いてポリオを発症することもあります。尚、大半の症例で麻痺を残存させずに改善します。ただ、中には生涯に渡って高度な麻痺を残存させることもあります。基本的にポリオの治療方法は存在せず、人工呼吸器で筋低下に対処します。