症状
咳が代表的な症状です。喘息や喫煙などによるものと誤解されますが、次第に痰が排泄されるようになります。その痰は初期で緑若しくは黄色をしていますが、これに血が混じるようになります。また、寝汗や食欲減退、体重低下などもきたします。更に胸痛が見られることもあり、これは水や空気が肺と胸壁間に貯留するためです。尚、病状の進行は非常に緩慢とされています。このため、一旦症状が改善しても長期に渡って治療を要します。
原因
伝染性が非常に強く、どの器官においても生じますが、中でも肺への感染率が高いとされています。通常、肺へ入り込んだ結核菌の多くは、生体の防御能によってほとんど死滅してしまいます。しかし一部の細菌は生存することもあり、こちらはマクロファージに吸収されて潜伏感染します。これは細菌の休眠状態を作り上げ、長期間に渡って生存してしまうことになります。感染してもほとんどのケースで生涯症状を示しませんが、一部、菌が活性化して増えてしまいます。結核菌は空気感染しますが、人間から人間にうつるのもこの時期が該当します。この活性化を引き起こす原因は分かっていません。しかし、免疫能の低下に関係があると言われており、HIV感染者、老齢者、乳幼児などにおいて発病しやすくなっています。
治療法
抗生物質が用いられます。継続期間は凡そ半年以上と言われており、これは結核菌を完全に死滅させることが困難とされているためです。通常、複数の抗生物質が併用されますが、これは一部の抗生物質に耐性を有する菌も見られることに由来します。このことから特に結核(けっかく)のケースでは、単剤の治療は行われません。尚、抗生物質ではエンタブトールやストレプトマイシン、ファンピシン、イソニアジド、ピラジナミド、リファンピシンといったものが用いられます。