慢性糸球体腎炎

症状

慢性糸球体腎炎症候群(まんせいしきゅうたいじんえんしょうこうぐん)では進行型と潜在型に分けられています。進行型では蛋白尿によってその進行性の強さを計るため、ネフローゼ症候群を現しているケースでは進行性と診断されることが多いです。無症状のケースもあり、特別高血圧も認められないこともあります。これは腎機能の障害が軽いためで、尿には異常が見られます。ただし悪化して腎不全を発症すると、尿毒症を引き起こします。通常、高血圧の症状は中程度のものとなっています。一方潜在型では蛋白尿や血尿が継続して見られますが、他の糸球体腎炎症候は認められません。

原因

通常、急性糸球体腎炎が治ることなくそのまま慢性化することが原因となります。尚、潜在型は長期に渡って腎機能が維持されるため、見通しは良いものとなります。これに対し進行型はそのまま悪化していきます。個人差が見られるものの、最終的には腎死に達します。

治療法

免疫抑制薬や副腎皮質ステロイド、抗凝固薬、抗血小板薬といった薬物療法が取り入れられます。潜在型においては、過度な運動や疲労を控えれば、特に食事制限や生活において自由とされます。一方進行型では、病態に適した食事及び生活の制限が必要となってきます。また糖尿病性腎症において用いられているアンジオテンシン受容体拮抗薬やACE阻害薬などは糸球体腎炎に対しても効き目があると言われています。高血圧やそれらに関わる浮腫などに対してアンジオテンシン受容体拮抗薬やACE阻害薬、カルシウム拮抗薬などが用いられます。近年、こういった利尿薬や降圧薬は非常に優れたものになっています。糸球体血圧を下げる働きを有するのが降圧薬であり、これは糸球体における輸出細動脈を広げる作用がこれらの薬剤にあるとされるからです。