原発性肺胞低換気症候群

症状

原発性肺胞低換気症候群(げんぱつせいはいほうていかんきしょうこうぐん)では疲労感、覚醒時の頭痛、無気力、睡眠障害、眠気などがあり、これらは肺胞低換気に起因する高炭酸ガス血症、低酸素血症、アシドーシスに由来するものとなります。重度のケースでは多血症及びチアノーゼといった症状を示します。本症候群は全年齢層においていられ、先天性に起因するものはあまり見られません。また低酸素性血管れん縮も見られ、これが肺性心及び肺高血圧症を引き起こし、うっ血性心不全を招きます。これらは低酸素血症に起因します。更に末梢部の浮腫や肝腫大、頸動脈怒張なども呈します。尚、脳圧亢進や脳血管拡張などが高炭酸ガス血症及びアシドーシスに起因して発生するため、これらは低酸素血症と共に意識障害を引き起こす要因になります。

原因

呼吸の調節系のうち、脳幹部における神経網の障害若しくは化学受容体の作用低下が原因ではないかと言われていますが、延髄における呼吸性神経細胞の障害は確認されていません。本症候群は安静の際に高炭酸ガス血症及び低酸素血症を示す症候群であり、顕著な神経疾患などが見られないにも関わらず発症するため、その原因は不明になっています。初期段階で覚醒の際の呼吸量が適正範囲内でも、睡眠などによって呼吸量低下或は無呼吸を多発し、その結果高炭酸ガス血症及び低酸素血症を引き起こします。

治療法

アセタゾラミド及びプロゲステロン製剤などの投与による治療方法が行われます。これらは呼吸中枢に影響を与えるものであり、換気量を増やす作用があります。その他、呼吸補助法が行われることもあります。