縦隔腫瘍

症状

縦隔腫瘍(じゅうかくしゅよう)は胸部X線検査にてたまたま見出されるケースが多いため、ほとんど症状を示しません。症状が出現した場合は、浸潤及び圧迫に起因するものと、これらに由来しない腫瘍を伴うものとなります。咳、呼吸困難などは気道への浸潤に起因する症状であり、嚥下困難は食道への浸潤が原因となります。神経痛は神経に対する浸潤によるものであり、胸痛は胸壁への浸潤によるものとなります。

原因

腫瘍及び嚢腫が縦隔内に原発したものを指しています。神経性腫瘍、先天性のう腫、胸腔内甲状腺腫、胸腺腫、奇形腫、リンパ性腫瘍などが該当します。神経性腫瘍には神経芽細胞腫、神経線維腫、神経鞘腫などがあり、先天性のう腫には消化管のう腫、心膜のう腫、気管支性のう腫などがあります。胸腺腫瘍では胸腺のう腫、胸腺カルチノイド、胸腺腫、胸腺癌などがあり、奇形腫では悪性奇形腫、絨毛癌、卵黄のう癌、胎児性癌、皮様のう腫などがあります。更に上縦隔には気管支性のう腫、胸腔内甲状腺腫が発症しやすく、前縦隔では奇形腫、胸腺腫が高確率で認められます。また中縦隔では先天性のう腫、リンパ性腫瘍が出現しやすく、後縦隔には神経性腫瘍が発生しやすくなっています。

治療法

化学療法や放射線療法は、手術が出来ないケースに適用されます。また悪性リンパ腫には化学療法が中心となります。縦隔腫瘍は早期発見、早期治療が重要であり、見つかった場合は手術による治療方法で完全摘出を行います。ただし良性と悪性の判断が難しいと言われています。