過誤腫性肺脈管筋腫症

症状

過誤腫性肺脈管筋腫症(かごしゅせいはいみゃくかんきんしゅしょう)では労作時における呼吸困難や自然気胸によって見つかるケースが多く、他にも血痰や咳などが出現します。また結節性硬化症に過誤腫性肺脈管筋腫症が合併したケースでは、皮膚の白斑や爪囲線維腫、顔における血管線維腫などが見られることもあります。更に本症では乳び腹水や乳び胸水を合併する場合があります。

原因

縦隔及び腹腔リンパ節、肺胞壁、リンパ管の周り、肺血管、細気管支などに平滑筋細胞が増生するため、肺そのものを損傷し、のう胞を生成します。妊娠が可能となる年齢において発症するあまり見られない疾患であり、肺内において瀰漫性のう胞が作られてしまいます。これは平滑筋細胞様の過誤腫性肺脈管筋腫細胞の増殖に起因するもので、時間と共にのう胞が増えていきます。このため閉塞性換気障害を生じます。

治療法

抗エストロゲン療法であるLH-RH、プロゲステロン、卵巣摘出術などによる治療方法が採用されます。これは過誤腫性肺脈管筋腫症において女性ホルモンの影響が考えられるためです。また呼吸不全に陥ったケースでは肺移植が行われます。治療を行わなくても、呼吸の働きが良好に維持される場合も多く十数年以上生存することもあります。ただし、本症は呼吸不全を引き起こす疾患であり、慢性に進行していきます。