ベリリウム症

症状

ベリリウム症(べりりうむしょう)は急性と慢性に分類されており、前者では息苦しさや咳、体重減少などが主な症状となります。発症は急激であり、肺硬化に伴ってその働きも落ちていきます。更に目や皮膚にも異常をきたすことがあります。慢性のケースにおいても急性の症状と同様のものが示されますが、その進行は緩慢であることから十数年かけて徐々に出現させていきます。

原因

ベリリウム粉塵を吸入することが原因であり、これによって炎症が肺に引き起こされます。ベリリウムを使用する職業に従事する方に見られる疾患であり、またこれらの施設周辺に住む住人にも発症率は低いものの認められます。本疾患は短時間の曝露でも発症することがあり、これはその曝露量に依存するものではなく、ベリリウムに対して過剰な反応を示す方が対象となるためです。

治療法

多くの場合、薬物療法と共に人工呼吸器の適用によって数日で改善します。上記は急性の場合ですが、慢性のケースではステロイド薬の投与による治療方法ぐらいとなります。しかしその効果は期待されるだけのものはありません。急性と異なり、その進行も緩慢であり、ケースによっては心不全から死に至ります。これは心臓への負荷から肺性心をきたすためであり、重度の肺破壊に由来します。ただし、急性の場合でも重症化することがあるため死亡例はあります。