慢性円板状エリテマトーデス

症状

播種状型の慢性円板状エリテマトーデス(まんせいえんばんじょうえりてまとーです)は倦怠感や関節痛、微熱、γ-グロブリン高値、白血球減少、血沈促進、抗核抗体陽性を示すもので、SLEへ移行するケースも見られます。体幹及び四肢においても多く出現します。限局型では上口唇、鼻尖、指趾背及び側縁、耳朶、そして左右対称性に両頬部において蝶形に出現します。男女の差は無く、青年から成年において見られ、頬粘膜及び口唇も侵されます。肥厚性LEは露出や圧迫を生じやすい腕や顔面、手背において盛り上がり、疣状もしくは表面角化性、或いは台地状を形成します。凍瘡状狼瘡は寒さによるもので耳朶、指趾背、外足縁といった箇所に見られます。この場合、初めに紅斑が出現し、浮腫もしくは浸出性傾向を示します。次第に角化性紅斑を形成し、真ん中部分がへこんで肥厚性の鱗屑を持つようになります。春と夏に軽快する傾向があり、秋と冬に悪化する向きがあります。症例によっては潰瘍化することもあります。

原因

慢性円板状エリテマトーデスは環境による刺激から誘発されるとされ、その根底には遺伝的要因があるとされます。紫外線などの刺激が原因であり、これが肌の局所で反応を示します。素因としては自己抗体、自己反応性T細胞、サイトカイン異常生成などがあげられ、これらが複雑に関わっているとされます。

治療法

慢性円板状エリテマトーデスではステロイド軟膏やテープを用いて治療します。なかなか治りませんが、生命予後は良好です。少ないケースで瘢痕上に有棘細胞癌を招きますが、大抵瘢痕治癒に至ります。その他、日光の曝露を避けます。