多発性丘疹状毛包上皮腫

症状

硬い丘疹で半球状をしており、大きさは数ミリで、色調は正常皮膚色となります。対称性に体幹、項頸部、被髪頭部、顔面正中部を中心に沢山発生します。家族内発生が認められ、常染色体優性遺伝します。男性より女性のほうが比較的多く発症し、初発は思春期頃で、次第に増加傾向を示します。腫瘍塊は基底細胞様細胞から形成され、基底細胞癌に良く似ています。本疾患で腫瘍塊に角質嚢腫を孕んだものが沢山集まって発生します。

原因

CYLD1遺伝子異常が同定されており、多発性丘疹状毛包上皮腫(たはつせいきゅうしんじょうもうほうじょうひしゅ)はこの遺伝子が原因となって発症します。

治療法

原則、経過観察となります。これは本疾患が悪性化することがないためです。尚、鑑別を要する疾患では粒起皮様皮膚及び白斑といったものがあげられます。また顔面血管線維腫を生じる結節性硬化症では丘疹を顔面正中部に発生させるため、本疾患と良く似た症状を呈します。