症状
頸部腫瘤を示しますが、小さいものでは他の検査などによって偶然発見されるケースが多いと言われています。また腫瘍の転移、或は圧迫、浸潤性増殖などの症状を見ることもあります。悪化したケースでは、嚥下障害や喀血、呼吸困難、そして誤嚥や嗄声などを出現させます。
原因
多くはハッキリと原因が分かっていません。しかし遺伝的素因や放射線に晒されるなど、その因果関係も指摘されています。遺伝に起因するものではRETプロト癌遺伝子があり、常染色体優性遺伝します。放射線では、小児期にその照射治療を受けて長い潜伏期間を経由して高い確率で発症します。甲状腺腫瘍(こうじょうせんしゅよう)は良性のものと悪性のものに分類され、前者の多くは濾胞腺腫となります。後者は乳頭癌、濾胞癌、未分化癌、髄様癌、甲状腺原発悪性リンパ腫に分けられます。また悪性腫瘍の多くは乳頭癌であり、そして未分化癌の多くは濾胞癌及び乳頭癌からの転化によって出現します。更に橋本病との関与が示唆されており、これはほとんどのケースで合併症として橋本病の出現が認められているためです。
治療法
良性結節であれば経過観察になりますが、ある一定の大きさに肥大した腫瘤や機能性腫瘤、縦隔甲状腺腫などでは手術が実施されます。未分化癌は見通しも非常に悪くなっており、放射線療法と共に化学療法が行われます。多くは一年以内に死に至ります。また悪性リンパ腫においても同様の治療方法がとられます。見通しの良いとされているものは乳頭癌、濾胞癌、髄様癌であり、いずれも手術適応となります。