結節性硬化症

症状

知能障害、痙攣発作、顔面における血管線維腫などが中心となる症状です。血管線維腫は硬い丘疹が沢山見られるもので、径は凡そ数ミリとなります。鼻の周り、頬、鼻唇溝において対称性に現れ、淡紅色から常色をしています。大抵三歳以降に発症するため、誕生時には見られません。加齢に伴って増えて行きますが、その際、皮疹は融合します。そのため、腫瘤状などの病変を示します。粒起皮様皮膚は思春期以降に顕著となるケースが多く、硬い扁平隆起性病変から融合を招きます。殿部及び腰部を中心に見られ、大きさは径数センチとなります。環状白斑はメラニン生成がうまく行われないために発症する色素脱失のことで、下腿及び体幹に多く見られます。長楕円形をしており、大半の症例で見られます。爪繊維腫は、淡紅から褐色をした紡錘形小結節であり、その大きさは数ミリです。爪の周りに生じた血管線維腫のことを指しています。中枢神経症状では知能障害や痙攣発作などがあげられます。特に痙攣発作は誕生後一年内から見られます。

原因

本疾患は家族内ではあまり見られず。多くが孤発性となります。結節性硬化症(けっせつせいこうかしょう)ではTSC1遺伝子とTSC2遺伝子が原因となっており、前者は第九染色体、後者は第十六染色体に存在しています。いずれも腫瘍抑制遺伝子と言われており、常染色体優性遺伝します。

治療法

進行性知能低下では治療法が知られていません。痙攣発作は薬物療法が行われます。皮膚病変にはレーザー療法、凍結療法、外科的に切除したり皮膚剥削術などが実施されます。ただし、いずれの場合も再燃しやすくなっています。