有棘細胞癌

症状

小丘疹ないし小結節が生じるもので、先行病変として前癌症や瘢痕性病変を見るケースが多いです。これが徐々に肥大化し、難治性の潰瘍や腫瘤を発生させます。また、痂皮や角質がくっつくケースも多く、花キャベツのような増殖を呈します。転移した場合、所属リンパ節などに見られ、腫瘤も硬くなっています。更に、細菌由来の二次感染を引き起こすと悪臭が漂いますが、これは表面において潰瘍化したケースで見られます。

原因

発癌因子である紫外線、放射線、タール、砒素などが原因となる他、熱傷瘢痕や尋常性狼瘡、円形状エリテマトーデス、慢性放射線皮膚炎、慢性膿皮症といった瘢痕性病変、そして光線角化症、色素性乾皮症、外陰萎縮症、汗孔角化症、白板症、Bowen病(ボーエン病)といった癌前駆症など先行病変によるものも見られます。その他、先天性多型皮膚萎縮症、栄養障害型表皮水疱症、扁平苔癬なども該当します。尚、有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)は扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)とも呼ばれています。

治療法

基本的に外科的な切除による治療方法がとられます。進行した症例では化学療法や放射線療法などが行われます。切除する際は、正常皮膚の一センチ程度を含んだ範囲となります。根治的なリンパ節郭清はリンパ節転移が見られるケースにおいて実施されますが、予防的リンパ節郭清は実施されません。