脂漏性角化症

症状

径二センチほどの扁平丘疹であり、黒褐色や褐色などの色調を呈します。角化状の表面を有し、顆粒状若しくは乳頭状で出現します。掌蹠には見られず、体幹、頭部、顔面などの脂漏部を中心に現れます。発症は二十歳からであり、八十歳を超えた高齢者ではほとんど見られるようになります。老人性色素斑より隆起するケースが多く、老化に伴って発生する疣となります。痛みや痒みはありません。

原因

老化と共に発生する老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)です。上部に隆起しながら表皮内増殖が見られます。これは、有棘細胞や基底細胞によるもので、多彩な度合いのメラニン沈着を示します。また、偽角化嚢腫形成が認められます。

治療法

別の悪性疾患が考えられる場合や美容を目的にするケースでは治療を行いますが、通常、放置されます。年齢を重ねる度に増えて行く傾向にあり、自然に消失することはありません。治療では、外科切除やレーザー療法、凍結療法などが採用されます。尚、脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)では、ホクロや尋常性疣贅、扁平疣贅、有棘細胞癌、基底細胞癌、光線角化症、毛孔腫、ケラトアカントーマ、汗管腫などとの鑑別を要します。