皮膚アミロイドーシス

症状

両下腿に出現した場合、丘疹若しくは小結節が数多く見られ、硬化すると共に高度な痒みを生じます。背中に現れると、褐色の色調と色素沈着を呈し、さざなみ様の形状を示します。皮膚アミロイドーシスは続発性と原発性に分類される疾患で、アミロイドが皮膚に限局して沈着する病態です。続発性の場合、アミロイドが既に存在する皮疹に沈着する形態で、日光角化症やボーエン病、毛母腫、尋常性疣贅、ビダール苔癬、菌状息肉症、日光皮膚炎、悪性黒子、脂腺母斑、乾癬、円柱腫、脂漏性角化症、DLE、基底細胞癌などが基礎疾患になります。いずれもケラチノサイトに起因するアミロイドです。原発性のケースでは抗ケラチン抗体陽性、表皮肥厚化、色素失調、角質増殖などを認めます。アミロイド沈着は真皮乳頭にのみ出現し、しばしばコロイド小体様の球状の構造を皮膚直下に形成します。斑状アミロイドーシス、仙骨部皮膚アミロイドーシス、多形皮膚萎縮症様皮膚アミロイドーシス、頭部白斑黒皮症アミロイドーシス、白斑アミロイドーシス、アミロイド苔癬などがあります。斑状型は大抵中年女性で見られ、摩擦黒皮症にアミロイド沈着を認める場合やアミロイド苔癬を合併する症例もあります。形状はさざなみ模様や線状で、境界がハッキリしない灰褐色色素沈着が肩や上背に出現します。仙骨部皮膚型のケースでは左右対称性に若干角化性褐色斑を仙骨部に出現させ、お年寄りに多く見られます。アミロイド苔癬は硬い丘疹が沢山認められ、これが集簇して高度な痒みを伴います。色は灰褐色で、下腿に出現するとおろし金に似た様相を呈します。中高年に多く見られます。

原因

デンプン様のアミロイドが原因であり、これが肌に蓄積されることで惹起されます。

治療法

高度な痒みには内用の抗ヒスタミン若しくは抗アレルギー薬が用いられます。外用では副腎皮質ステロイド薬を塗布しますが、密封法に効果を示すことがあります。原発性皮膚アミロイドーシスの場合、難治性であり、上記のほか皮膚を削る、もしくは切除術を施したり、冷凍療法が試みられることもあります。