一般に500ミリリットルから2000ミリリットルの範囲内なら正常とされます。尿量検査(にょうりょうけんさ)は24時間蓄尿とも言われているもので、尿の一日量を完全に採取し、計測するものです。腎臓は体内で発生した老廃物を尿にして排出する臓器であり、水分と成分を体液にてコントロールしています。腎機能に障害が発生したり、尿量をコントロールするホルモンに異常が発生すると、排泄される尿量も正常ではなくなります。異常値とされるのは一日の尿量が400ミリリットル以下と、2500ミリリットル以上の場合になります。尚、利尿作用を持つビールやコーヒーを飲めば当然尿量は増加します。反対に汗を多くかけば減少しますが、いずれの場合も正常です。
乏尿(ぼうにょう)は一日の排泄量が400ミリリットル以下の場合を言います。また完全に排泄されなくなると無尿(むにょう)と呼ばれるようになります。無尿の場合は悪性腫瘍によって尿路が閉じられてしまったり、前立腺肥大や薬物中毒などによって尿閉を招いている可能性があります。乏尿はショックや脱水状態から引き起こされることが多く、腎不全など腎臓への血流低下から生じます。また、異常な腎機能低下を招く慢性腎不全でも尿量は減少します。これらに対して過剰な尿を排泄する多尿は、糖尿病や尿崩症、心因性多尿などが考えられます。いずれも口渇から水分の過剰摂取によって引き起こされます。
多尿でも原因特定のために詳細な精密検査を行いますが、特に問題となるのは無尿や乏尿です。こちらはとても危険とされているため、すぐにでも治療を行うべきです。