異常が無ければ試験紙検査で陰性を示します。腎臓や膀胱、尿管に異常が発生すると尿中に赤血球が混入します。これを尿潜血(にょうせんけつ)と呼んでいますが、正確には顕微鏡的血尿と言われます。健康であっても微量の赤血球が尿中に見られることもありますが、多くの定性検査で陰性と判断されます。これに対し血尿(けつにょう)は、多量の赤血球が出てきて肉眼でも確認できるようになったものを指します。尿潜血反応(にょうせんけつはんのう)は、潜血の有無を試験紙に入れて変色の度合いを確認するものです。ここで赤血球の存在が明らかになると、次に尿沈査を実施し、顕微鏡にて尿中の赤血球数を導き出します。
正常とされる基準値は陰性でありますが、健康であっても尿中に赤血球が見られることもあります。ただし、この場合は多くが試験紙判定で陰性となります。異常値とされるのは陰性(+)と疑陽性(±)であり、特発性腎出血や腎結核、尿路結石、膀胱炎、前立腺炎、膀胱結石、腎臓外傷、腎腫瘍、尿道炎、尿管腫瘍、急性腎炎などが疑われます。しかし、一時的な尿潜血で害の無いものもあります。例えば利尿剤を用いた際やある種の鎮痛解熱薬を使った時などがそうです。また、生理中の女性ではその多くが陽性を示します。つまり、一度の検査で病気の有無を確定するのは難しいため、再度検査を行う必要があります。そこで異常と判断されたら、更に精密検査を実施することになります。
尚、尿管の病気では尿管腫瘍や結石があります。尿道疾患では尿道に異物が入っていたり、前立腺炎などの尿道炎があります。腎疾患では腎結石、急性腎炎、腎臓外傷、腎癌、腎結核があります。膀胱の病気では、膀胱結石や膀胱炎、膀胱腫瘍などがあります。