腎性糖尿

症状

特に目立つ症状を示さないとされますが、稀に糖尿病の初期段階において腎性糖尿を示すケースが見られます。腎性糖尿は尿中において糖が降りているのに対して、血糖値には異常が見られない病気のことを言います。経口ブドウ糖負荷試験によって尿糖値及び血糖値の比較から腎性糖尿(じんせいとうにょう)と診断されるケースと空腹時において高い濃度の尿糖が排泄されてしまう場合に診断されることがあります。この病気では血漿インスリン反応と血糖値において正常値を示します。

原因

遺伝性に起因するものも見られますが、尿中に糖の検出が認められることが原因となります。普通、尿糖が見られるのは、血中において高濃度のブドウ糖が存在している場合です。腎臓が健康であれば、通常ブドウ糖は血液から濾過されることによって、その全てが再吸収されることになります。腎性糖尿は、このブドウ糖の再吸収力が障害されることによって引き起こされる病気です。つまり近位尿細管に関してブドウ糖再吸収メカニズムの異常によって引き起こされる先天性疾患を言います。このため、血糖値が正常範囲内を示していても尿糖が見られます。

治療法

見通しは良く、治療法も特にこれといったものはありません。ブドウ糖は糸球体によって濾過されますが、通常、ブドウ糖はナトリウムと共に近位尿管腔より細胞内へ運搬されます。その際、健康であれば100%再吸収されることになります。ブドウ糖は担体によって組織内へ移動しますが、腎性糖尿ではこの担体に障害が認められます。このため、糖質再吸収能力が低下し、正常血糖値においても尿糖が排泄されます。