ハートナップ病(Hartnup)

症状

ハートナップ病(Hartnup)では日差しに照射される皮膚においてペラグラ様発疹が認められ、特に強い日差しに照射された後に呈します。小児期に多く見られ、季節は春と夏の間に多発するとされます。また振戦、眼振、複視、痙性麻痺といった症状を示しますが、いずれも小脳に起因する一時的な神経症状となります。更に知能障害を招き一時的な精神症状として幻覚や妄想などを出現させることもあります。ただ、見通しは良く、加齢に伴って症状も緩和方向に向かいます。診断はインドール化合物排泄及び大量のアミノ酸が尿中に存在すること、などによって確定されます。

原因

中性アミノ酸輸送の障害が小腸及び腎臓において生じることが原因であり、大量のトリプトファンが尿中に含まれます。小腸においてトリプトファン吸収が阻害されるため、ナイアシン合成に異常をきたし、結果としてニコチン酸欠乏症から神経症状を示すようになります。本症は一時的な神経症状と皮膚におけるペラグラ様発疹を共に見る病気であり、インジカン尿及び腎性アミノ酸尿を併発しています。

治療法

蛋白質を十分に摂取することでアミノ酸の吸収阻害を防ぐことができます。またニコチン酸アミドにその有効性が認められており、食事の際にナイアシンアミドを食事とは別に補給することで未然に防ぐことが可能とされています。