ローター症候群

症状

黄疸を除くと特にこれといったものは出現せず、多くの場合自覚症状と共に他覚症状も示しません。ローター症候群(ろーたーしょうこうぐん)の検査では少し高めの高直接ビリルビン血症が示されます。

原因

ビリルビンの肝細胞内保持、或は肝細胞への取り込み、若しくは毛細胆管への排出などの機能に異常が認められており、常染色体劣性遺伝します。リポフスチン様顆粒を肝細胞内に見られることもありますが、肝組織は正常となっています。高直接ビリルビン血症は中等度であり、肝細胞内ビリルビン結合タンパクの一種の活性及び免疫組織化学染色性の欠損が指摘されています。その他、尿中CP排泄は著明に増加し、CPイソマーⅠも大方増えています。またBSP及びICGにおける重度の血中停滞を認めます。胆汁酸は正常であり、通常の肝機能検査は上記を除けば大方正常となります。

治療法

黄疸を減少させる有用な治療薬は今のところ知られていません。見通しは良好であるため、特別な治療は実施されません。国内では沖縄で多く見られる疾患です。肝組織は適正範囲内であり、常染色体劣性遺伝します。尚、デュビンジョンソン症候群、閉塞性黄疸、慢性肝疾患との識別が必要とされます。これらの区別は上記疾患の診断基準に基づいて判断されます。