症状
皮膚着色、知能発達不全、小頭症、小人症、手指欠損、腎異常、耳及び眼並びに四肢骨における異常など奇形が出現します。染色体異常の確率が上昇しており、汎血球減少症を末梢血にて確認できます。また大球性貧血を呈することもありますが、普通は正球性正色素性貧血を出現させます。
原因
再生不良性貧血(さいせいふりょうせいひんけつ)の一つであり、ファンコニ貧血(ふぁんこにひんけつ)はあらゆる奇形を合わせて発症する先天性の疾患です。常染色体劣性遺伝と指摘されていますが、これは二割近くの症例で血族結婚が認められているためです。病型はA群からH群までの八つに分類されており、更にD群においてD1群及びD2群に分けられます。またA群及びH群において同一であることが遺伝子解析で解明されています。今の段階で分かっている遺伝子異常はA群、C群、D2群、E群、F群、G群となります。DNAの修復に異常が認められるのは、これらの遺伝子異常によるものと考えられています。
治療法
蛋白同化ホルモンや男性ホルモンの投与、免疫抑制療法、骨髄移植などがあります。また血小板輸注などもあります。昔は重症とされるケースだけでなく中等度や軽症例でも見通しは不良となっていましたが、近年治療方法の進展に伴って蛋白同化ホルモン及び血小板輸注が取り入れられ見通しも改善されています。そのため中等度から軽症のケースでも長期生存が可能となっています。