脾臓破裂

症状

圧痛若しくは腹部痛を訴えます。これは血液が脾臓破裂(ひぞうはれつ)によって腹腔中へ放出されるためで、この血液の影響で腹痛を発生させます。加えて腹筋が硬直しますが、これは出血によって反射的に腹筋が収縮されるためです。一方、症状をほとんど示さない場合もありますが、こちらは血液の流出が緩やかなケースとなります。この場合、血流量の低下も緩慢であり、血圧低下を招き、酸素を十分に得られなくなり、ここではじめて脳及び心臓において障害をきたし自覚するに至ります。その際、視力障害や意識を失うこともあり、これは酸素不足や低血圧などから引き起こされます。放置するとショックから死亡することも考えられます。

原因

合併症の一つであり、スポーツなどによるものや交通事故、打撲といったもので引き起こされます。つまり腹部の強打若しくは損傷などが原因であり、これによって脾臓内部組織を破壊し、その覆っている被膜までも裂けてしまいます。脾臓にある外膜は強固に作られているものの、破裂によって腹腔内へ多くの血液が流入するため、手術を要します。

治療法

通常、手術によって脾臓が摘出されます。検査では腹部X線などを用いて確認され、脾臓破裂の可能性が高いと判断されれば、致死量に至る出血を前もって抑制することになり、手術適応となります。ただし、破裂の程度が軽いものであれば、手術なしで回復可能な場合もあります。