赤芽球癆

症状

貧血が主症状となります。斜視や母指奇形、肝腫及び脾腫などは先天性の症例で出現することがあります。眼瞼下垂及び脱力といった症状は、合併症として胸腺腫を発症するケースで重症筋無力症を合わせて発病する場合に見られます。

原因

骨髄において赤血球のみその産生に低下をきたすことが原因で極端な貧血を出現させます。赤芽球癆(せきがきゅうろう)は急性と慢性に分けられ、前者はウイルス感染や薬剤に起因するもので、後者は先天性と後天性に分けられます。急性の原因となる薬剤ではジフェニルヒダントインやチアンフェニコールがあり、感染ではパルボウイルスB19があげられます。いずれも障害をきたした赤血球系の前駆細胞に起因します。慢性のものはは自己免疫疾患の一種と言われており、これは赤血球系の前駆細胞をリンパ球及び血清が抑えるとする報告や合併症として胸線維腫が多いことなどに由来します。

治療法

薬剤が原因とされる場合は、その利用を停止します。本疾患がT細胞性慢性リンパ性白血病に合わせて発症したケースではシクロホスファミドが有効とされています。これは白血球数が低下するためで、貧血が軽快すると言われています。またATG及びプレドニゾロンといったものが役立つ場合もあります。ただ、慢性化した特発性症例ではシクロスポリンが明らかな効果を示すとされます。その他、胸腺腫が認められるケースで胸腺摘出が実施されることもありますが、期待されるだけの効果は得られないと言われています。尚、急性型でウイルスに起因するものは特に治療を行いません。これは自然治癒するためです。