フィッシャー症候群

症状

必ず発生するのは外眼筋の異常であり、高い確率で内眼筋麻痺を生じ、瞳孔拡散を出現させます。外眼筋麻痺が本疾患の特徴であり、反射性の眼球運動と共に随意性の運動にも支障をきたします。急性期の運動失調は重度に発生するケースが高いとされていますが、他の眼筋麻痺や深部反射消失に比較するとその回復率も高いとされています。尚、深部反射においてはその低下が著しく全身において生じます。

原因

細菌の一つであるカンピロバクターの感染によって発生する抗体が原因と考えられています。フィッシャー症候群は運動失調、深部反射消失、眼筋麻痺などを急激に発症させる疾患であり、ギランバレー症候群と同様に運動失調、腱反射消失、眼筋麻痺などを引き起こす病気となります。そのため、ギランバレー症候群の亜型と言われています。また蛋白細胞解離が髄液において認められ、多くの場合、抗GQ1b抗体も血清中において高まります。尚、末梢神経における伝達速度は適正な範囲内になっているケースが多いと言われています。

治療法

免疫グロブリンの大量投与、血漿交換療法、副腎皮質ステロイド療法などによる治療方法となります。軽度の症状では自然治癒するケースが多いと言われていますが、重度では極めて厳格な全身管理を要します。具体的には呼吸器感染症、尿路感染症、嚥下障害、頻脈及び不整脈に対して適性な措置を施します。また呼吸筋麻痺においては人工呼吸器の装着が必要となります。ただしフィッシャー症候群(ふぃっしゃーしょうこうぐん)では見通しも良く、症状は凡そ数ヶ月程度で改善されます。