急性横断性脊髄炎

症状

急性横断性脊髄炎(きゅうせいおうだんせいせきずいえん)ではまず急激に背部痛を発し、脚の両方における痺れと脱力が示されます。これが体の上側にその範囲を拡大していきます。また排尿困難も示され、いずれも数時間ないし数日に渡って症状も重くなっていきます。更に悪化すると腸管制御不能や膀胱の制御が失われていきます。尚、障害の酷さは、脊髄において発生した場所或いはその炎症の度合いによって変化します。

原因

自己免疫疾患に起因するケースもありますが、詳細な原因は解明されていません。結核、ライム病、多発性硬化症、そしてアンフェタミンなどの静注などが誘引するとも言われており、またウイルス感染後に発症するケースもあります。自己免疫疾患は自身の体を異物と免疫が解釈して、自分で自分を攻撃してしまう病気です。本症は脊髄内を通る電気信号が炎症に起因してその伝達を遮られてしまう疾患です。

治療法

多くの場合、症状は完全に消失するに至りますが、中には痺れ及び脱力が残ってしまうケースがあります。通常、早期に症状が示されるほどその改善率も上昇していきます。急性横断性脊髄炎は自己免疫が関係していることもあるため、この免疫を抑える目的でステロイドの投与による治療方法が行われることもあります。尚、鑑別が必要とされる疾患ではギランバレー症候群の他、脊髄における血流遮断や脊髄圧迫などがあります。診断ではMRI検査などが実施されます。