副腎白質ジストロフィー

症状

副腎白質ジストロフィー(ふくじんはくしつじすとろふぃー)の初期段階では精神症状である知能低下や性格変化、そして動作の異常などが示されます。また副腎機能が落ちることから皮膚色素沈着なども出現することがあります。次第に、視力の衰えや歩行障害、四肢痙性麻痺などを示し出します。更に度々痙攣発作を示す傾向にあります。発症年齢は幅広くなっていますが、五歳頃から思春期にかけて多くなっています。しかし近年では思春期を含め成人の発症例も知られており、末梢神経及び歩行並びに知覚障害などを示すケースが多いとされています。

原因

遺伝子異常の脱髄及び副腎不全が原因とされていますが、その詳細は解明されていません。極長鎖飽和脂肪酸の内、二十二以上の炭素数を持つコレステロールの蓄積が副腎皮質及び脳白質に見られます。また他の極長飽和脂肪酸が血清及び赤血球並びに白血球においてその増加が見られます。これらの増加はペルオキシソームにおけるβ酸化活性の衰弱が原因とされています。ただし、副腎不全及び脱髄と極長鎖脂肪酸の関与はまだ明らかにされていません。

治療法

食事療法によって極長鎖脂肪酸の摂取を控え、更にその合成を阻害するためにエルカ酸及びオレイン酸などを利用する治療方法も行われています。副腎不全に対してはステロイドホルモンに効果があるとされていますが、神経症状にはその有効性は認められません。尚、小児に関しては造血幹細胞移植による治療法が行われたケースも見られます。