高血圧性脳症

症状

頭痛が主な症状ですが、意識障害や視力障害、痙攣、悪心、嘔吐などが見られます。また項部痛や精神異常なども示されます。本症は鑑別が必要であり、尿毒症性脳症などは透析によって改善傾向が見られるとされます。高血圧性脳症(こうけつあつせいのうしょう)では降圧だけでその改善が見られます。また代謝性脳症や慢性硬膜下血腫、脳血管障害などともその識別が難しいとされています。

原因

近年血圧管理も改善されているため、本症はあまり見られなくなっています。悪性高血圧症であり、重度の血圧上昇を突然引き起こす疾患となります。妊娠中毒症や急性腎障害、そして持続性高血圧に誘引が重なることで、明らかな血圧上昇を示したケースにおいて発症します。通常、健全であれば血圧上昇に伴って血管収縮が起こり、脳内の血流はほとんど一律に維持されます。この制御できる領域を突然超えて血圧上昇が起こると、脳浮腫が生じます。尚、持続性高血圧を患っている方は更に高い領域でも血圧は一律に維持されます。また血圧上昇に伴って生じる血管収縮は、動脈血圧で凡そ150mmHgまで正常に行われ、これによって脳内血流が一律に維持されると言われています。

治療法

降圧の治療方法が基本となっている他、薬物による治療法では抗脳浮腫薬が用いられます。ただし、虚血性脳血管障害との識別が必要であり、それを精査した後に、降圧の治療が行われます。