脳血管性痴呆

症状

脳血管性痴呆(のうけっかんせいちほう)では人格変化は見られない一方感情失禁などを示します。これは喜怒哀楽のことで僅かな刺激で大きな反応を示します。また言語障害なども併発しやすい傾向にあります。具体的に視空間失認や失行症、失語症、失読、計算ができなくなったり、或いは文字を書けなくなったりする症状では中大脳動脈において梗塞が見られたケースとなります。無言状態などは前大脳動脈の梗塞によるものとなります。視覚物体失認や皮質盲などは後大脳動脈において梗塞を生じたケースとなります。

原因

小さい脳梗塞或いは脳卒中発作後に生じることがあります。前者では自身でも気づかない内に出現させていることもあります。本症の原因は血管の障害であり、これによって痴呆を生じます。神経細胞の作用を支える脳血管は非常に大切な役目を担っています。

治療法

薬物では再発作を防ぐ目的で抗血小板薬の投与による治療方法が行われます。また脳代謝を高める薬剤や脳血管拡張薬、向精神薬なども使われます。ただし、脳血管性痴呆を引き起こす原因を取り除くことが最も大切です。具体的には脳卒中の誘引となる糖尿病や高血圧の治療が該当することになります。尚、痴呆のうち局在性の病変に起因する発作から痴呆を生じたケースでは、再発が見られないと次第に改善傾向が示されるため予後も良好となります。