慢性髄膜炎

症状

慢性髄膜炎(まんせいずいまくえん)では急性髄膜炎に比較すると出現する症状は遅くなります。発熱の他、頭痛や背部痛、麻痺、脱力、錯乱といったものが示されます。いずれも急性細菌性髄膜炎のそれと似たようなものであり、脳神経及び末梢神経への障害を現す症状とされます。検査ではMRIやCT検査など、頭部において用いられ、細菌感染では髄液中に白血球増加が見られます。

原因

免疫機能低下によって発症するもので、一ヶ月以上継続して炎症が髄膜に生じる疾患を言います。癌患者の内、化学療法を行っている方やエイズ、長期間に渡ってプレドニゾロンの投与を受けている方などに多く発症します。ただし、免疫機能低下が見られないのに慢性髄膜炎を引き起こすこともあり、これは結核などの感染に起因するものとなります。その他、感染によらないものではサルコイドーシスをはじめ、脳腫瘍、リンパ腫、脳へ癌が転移したケース、そして特定の非ステロイド性抗炎症薬や化学療法薬を用いた際などがあげられます。

治療法

真菌に起因するものではフルコナゾールやアムホテリシンBといった抗真菌薬を静注します。癌に原因するものでは化学療法及び放射線療法、或はこれらを組み合わせての治療方法がとられます。サルコイドーシスに起因するものではステロイド薬の投与による治療法となります。