持続性肺高血圧症

症状

チアノーゼが見られます。紫っぽい色調を呈する皮膚が認められますが、これは酸素濃度が血液において低下していることによるものです。また、皮膚が青っぽく見えるのは脈拍の弱さや低血圧による場合もあります。発症は、誕生の時から認められるケースもあれば、誕生後数日してから発症するものもあります。多くの場合、速い呼吸になっており、元となる病気が肺に見られる場合、高度な呼吸困難を呈することもあります。

原因

出産の際に過剰なストレス負荷がかかっていたことや、高度な呼吸困難が新生児に認められること、インドメタシン及びアスピリンといった薬剤を妊娠最中に用いたケースでは持続性肺高血圧症(じぞくせいはいこうけつあつしょう)が予測されます。本疾患の原因は、新生児の肺へ流れる動脈が誕生した後も収縮した状態を持続することとなります。このため、血液が肺へ十分に供給されず、重度の酸素不足を招きます。

治療法

重度であれば、酸素と共に一酸化窒素ガスを吸入させます。これは肺動脈拡張作用があるためで、肺高血圧症を軽くするのに役立ちます。通常、100パーセント酸素の供給を行い血中の酸素濃度を上昇させます。これによって肺へ流れる動脈を広げやすくします。更に弱アルカリ性の血液にすることで、動脈拡張を試みることもあります。その他、膜型人工肺を用いることがあります。これはECMOと略されるもので、血中に酸素を送り、二酸化炭素を取り除く器具に血液を循環させるものです。