症状
発育が正常でないため、多毛や低身長を呈し、ケースによっては精神遅滞が長期間かけて発症します。また指の関節のこわばりを見ることもありますが、これは心臓弁及び動脈へ障害をきたすためです。顔面はざらつき、聴覚、視野などにも影響を及ぼすことがあります。
原因
遺伝性疾患となります。酵素の欠如が原因であり、この酵素はムコ多糖体の分解若しくは貯蔵する働きがあります。結合組織ではムコ多糖体が必ず必要です。この酵素が欠損すると、血中にムコ多糖体が大量に流れ込み、体に溜まっていきます。結合組織の障害が本疾患の原因であり、肝臓や脾臓、眼、骨などに障害を引き起こします。また特異な容貌や精神遅滞を随伴させることもあります。
治療法
いくつかの対処が考えられますが、ムコ多糖体沈着症(むこたとうたいちんちゃくしょう)の予後は型によって異なります。通常の人と同様に平均寿命まで生存できることもあれば、早くに亡くなることもあります。特に心臓に関与する型では顕著となります。治療方法は骨髄移植の他、異常酸素の交換などがあります。前者は有効とされる症例もある一方で、死亡例や障害を招いた症例も見られます。後者は一過性の効果が認められています。診断では絨毛膜組織やX線画像、家族歴などが判断材料となります。また、誕生以前の羊水穿刺なども行われます。