急性心膜炎

症状

急性心膜炎(きゅうせいしんまくえん)の自覚症状では腹痛を訴え、数日間続くこともあります。痛みは強く鋭いものや鈍いものなどがあり、様々となっています。痛む箇所は放散することもあり、普通は前胸部などに感じられます。また、痰や咳、疲労感、体重減少、発熱、筋肉痛、呼吸困難などが見られることもあります。

原因

急性炎症が引き起こされることが原因で、特発性、自己免疫疾患、代謝性、新生物、感染性など様々な要因が考えられます。中でも特発性に起因するものが非常に多いとされています。病態は肉芽腫性、化膿性、出血性、線維素性となります。滲出液が多くなると心タンポナーデを引き起こします。尚、心膜間において炎症性の水が蓄積する疾患を心膜炎或いは心のう炎と言います。

治療法

悪性腫瘍及び心筋梗塞などは高齢者において合併しやすく、心タンポナーデにも警戒を要します。特発性及びウイルス性のものは、元となる病気が認められない若年層に多いとされます。いずれにしても原因とする疾患に起因するものかどうかによってその治療方法も違ってきます。熱が上昇し、胸痛が見られるものでは入院して経過観察するのが一般的であり、その際安静を要します。疼痛にはステロイドが利用されることもありますが、細菌などの理由から短い期間での投与になります。通常、非ステロイド系の炎症鎮痛薬が適用されます。尚、特発性やウイルス性などに起因する心膜炎の見通しは良く、数週間程度で改善が見られます。