リンパ浮腫

症状

リンパ浮腫(りんぱふしゅ)の出現し始めの時は手足の腫れから浮腫みといった症状を示します。初期の頃はまだ柔軟性を感じられますが、悪化に伴って象の皮膚様に肌や皮下組織が硬化していきます。これは組織間質において線維化が進行するためで、その際感染症を引き起こしやすい傾向になります。連鎖球菌感染に起因して象皮病を引き起こした症例や長期間に渡ってリンパ浮腫が継続したため、リンパ肉腫の出現が見られた症例もあります。いずれも稀な症状となります。

原因

ハッキリと分からない原因で発症するものを特発性または一次性リンパ浮腫と言い、二次性は悪性腫瘍である前立腺癌や子宮ガン、乳癌などによって引き起こされたものを指しています。手術でリンパ管を切除したケースにおいて続発します。一次性は若年層の女性に多い疾患であり、中でも下肢に発症しやすくなっています。手足の皮膚が分厚くなって硬化し、浮腫みも出現しますが、これは静脈うっ血と似たようなものとなります。いずれもリンパ系において循環障害が原因となります。

治療法

手術適応は象皮病を引き起こしたケースで、こうなると皮膚は修復されません。そのため、患部を切除して治療します。初期段階であれば、弾性ストッキングなどの装着及びマッサージなどが行われ、更に薬物療法も実施されます。最近では細静脈とリンパ管を顕微鏡を用いて結合させる方法が試行されており、これは微小血管吻合技術と言うものです。