ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群

症状

ウルフ・パーキンソン・ホワイト症候群では通常、運動の際に発作性上室頻拍の発作が突然出現します。その持続時間は様々で短いものから数時間継続するものまで認められます。ただ、症状が示されないケースも多く、これは健康で若年層に見られる傾向です。高齢者では、失神をはじめ、胸痛を訴えたり呼吸困難など幾つかの症状が呈されます。また幼児においても呼吸困難や食欲不振などが認められます。

原因

先天性に起因する障害であり、心室及び心房の間で副伝導路が電気刺激伝導に影響を与えて発生する疾患となります。房室回帰性上室性頻拍とも言われるもので、多くは若年層にて不整脈を示します。この病気はウォルフ(ウルフ)、パーキンソン、ホワイトによって提示された臨床的な概念となります。

治療法

薬物療法や手術療法、カテーテルアブレーションなどがあります。副伝導路を破壊するため、カテーテル電極を用いて高周波通電を実施するのがカテーテルアブレーションとなります。成功例は非常に多く、死亡する症例も少ないものとなっています。薬物療法では、フレカイニド、ピルジカイニド、プロパフェノン、シベンゾリン、プロカインアミド、ジソピラミド、アプリンジンなどがあり、いずれも副伝導路における伝導を抑える働きを持っています。ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群による死亡率は低いものの発作性上室性頻拍より心房細動を引き起こす可能性があるため、見通しは絶対に良いと言うものではありません。かつては生命の見通しも良好とされていましたが、心房細動などによる突然死の報告も現在では存在しています。