症状
小腸腫瘍(しょうちょうしゅよう)は良性腫瘍は腸重積であることが多くなっていますが、これを除くと良性に関してはこれといった症状を示すことはありません。一方悪性腫瘍では腸閉塞、腹痛、腹部膨満感、腹部腫瘤、嘔吐、悪心、下痢、出血、貧血といった症状を示します。カルチノイド症候群による小腸腫瘍では腹痛や下痢の他、顔面紅潮、喘息発作様症状、右心不全といった症状を示し、この腫瘍はヒスタミン、プロスタグランジン、キニン、セロトニンといったホルモン産生腫瘍となります。
原因
癌などの悪性腫瘍は十二指腸に多く見られ、次いで空腸、回腸、と下へ進むほどあまり見られません。良性腫瘍でも同じような発生率となっています。また平滑筋腫、脂肪腫、血管腫、腺腫、線維腫の順に発生しやすくなっています。十二指腸に見られる癌では第二部において多発します。小腸は消化管の中の臓器で一番長くなっていますが、腫瘍の発生率は一番少なくなっています。良性腫瘍においては合併症などで症状が現れない限り、通常治療を行うことはありません。
治療法
十二指腸及び回腸に見られるポリープは内視鏡的摘除に問題が無ければ内視鏡的ポリペクトミーによる治療方法が採用されます。ただし、一定基準を満たした大きさを有する良性腫瘍の内、悪性腫瘍との識別が難しいケース、或いは腸重積を引き起こすほど腫瘍が進行するケースでは外科的に切除する治療法がとられます。また悪性腫瘍においては内視鏡摘除が無理となると外科的切除に移行します。悪性リンパ腫では放射線療法をはじめ、化学療法、外科的切除などを単独或いは併用して治療が実施されます。尚、小腸腫瘍の検査では小腸鏡、CT及び超音波、血管造影、腹部単純X線、そして造影剤を使ったX線などが適用されます。